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フィリピン宛の残念な航空便


普通切手の使用例収集では、やはり料金が合っていることが第1条件です。余分な料金額が貼ってあるカバーは、たとえ珍しい切手の使用例であっても、入手しようという気が失せます。また料金が合っていても、せっかくの珍しい使用例となる機会を逃して「ごちゃごちゃ混貼り」になっているカバーは、興ざめです。

ここではそんな残念が重なったカバーを、2点セットで紹介しましょう。どちらも昭和20年代のフィリピン宛航空便書状です。この時期の料金は55円(S26.12.1~28.6.30)、50円(S28.7.1~34.3.31)でした。

荻窪 S27(1952).3.13

料金55円(第2地帯)のところに、80円分の普通切手が貼ってあります。この80円というのは当時最も差し出し数が多かった第3地帯(米国など)あて料金です。地帯を間違えたのか、面倒だから米国あてと同じ料金分を貼ってしまったのか分かりませんが、ともかく残念でした。
もしも正しく55円分を、立山航空で1枚貼りにしてくれていたら、これはお宝カバーとなったはずです。もうずいぶん昔になりますが、ゼつき立山航空55円1枚貼りのフィリピンあて航空便カバーが、390万円という高値で取引されたことがあります。その兄弟カバーとなる機会を逸してしまいました。
ただし間違えた料金80円を立山航空でなく普通切手で貼っているところから考えると、仮に料金が55円であったことを認識していたとしても、それを立山航空で貼ってくれた可能性は高くないかもしれませんね。

落合長崎 S28(1953).10.7

こちらのカバーは55円分の切手が貼ってありますが、残念なのは立山航空貼りでない点...と言いたいところですが、実はこれも料金過貼です。フィリピン宛の国際航空便書状料金は、この郵便の差し出された3ヶ月あまり前の昭和28年7月1日に、50円に改訂されています。この新料金に対応した航空切手は発行されず、普通切手で間に合わせることになっていました。しかし40円+10円でよいところにさらに5円切手を貼っているのは、料金が引き下げられたのを知らなかったということでしょう。
正しい料金を貼った50円普通切手1枚貼りは珍しい使用例になりますが、50円切手のいろいろな使用例の1つにすぎないという感じもします。